年齢は単なる数字
指しゃぶりは良い?悪い?
院長 堀部 尊人
こんにちは。京都市 北区 ほりべ歯科クリニック 歯医者の堀部です。
「この子、指しゃぶりがやめられないんです」という相談をよく受けます。
子供の指しゃぶり・あるいはおしゃぶりの使用は、「悪習癖」として、長く続くとあまり良くないものとされています。
2歳くらいまでの子供が指しゃぶりを行うのは、ごく自然な行為でやめさせる必要はありませんが、5歳くらいになっても続けていると、かみ合わせの異常が出てくるのでやめたほうがよいと言われています。ほとんどの子供は自然にやめるようです。(ただ、大きくなっても寝るときだけは指をくわえる子は多いみたいですが・・・)
おしゃぶりに関しては、やはりかみ合わせの異常を引き起こすという論文もあるようですが、「おしゃぶり=赤ちゃん」のイメージですから、外でお友達と遊ぶようになったら自分からやめるんじゃないでしょうか。
最近、口輪筋(口の周りの筋肉)の力が弱く、口を開けたままで口で呼吸する子供(お口ポカン)が増えています。おしゃぶりの使用は、口輪筋を鍛え、鼻呼吸を促すので小児科や耳鼻科では推奨されているようです。しかし、歯科では、かみ合わせの異常を引き起こすので悪習癖として扱われています。
以前に、岡崎先生からこのような話を聞きました。
「おしゃぶりを与えているおかあさんを見ると、こどものために、というよりもどっちかと言うと自分の都合で与えているような人が多いような気がする。おしゃぶりを使うとこどもはおとなしくなるから。『鼻呼吸を促し、噛む力をつけるため』という効能を理由にして、泣き止ませるのに都合がいいから使っているのでは?」
「フランスのある興味深い研究で、指しゃぶりをしていた子と、指しゃぶりをしなかった子の追跡調査がある。指しゃぶりをしていた子は、大人になってブルーカラーになった割合が多い。反対に、指しゃぶりをしなかった子は、ホワイトカラーになった割合が多かった。これはどういうことかというと、指しゃぶりをすると、興味が自己の内面へ向かっていく。すなわち自分の技術を上げる、匠の世界へ入っていく人が多い。指しゃぶりをしない人は、興味が自分以外の他人に向かい、人とのかかわりあいのスキルを上げていく。・・・ということらしい。」
「自然に指しゃぶりをするような性質の子におしゃぶりを与えるのはかまわないだろうが、問題なのは、指しゃぶりをしない、興味が外の世界に向かうような性質の子に親の都合でおしゃぶりを与えて黙らせてしまうと、人とかかわり話す能力を取り上げてしまうことにならないだろうか・・・」
うーん、深い・・・
なんでもかんでも「悪いもの」と決め付けずに、現状の中でのプラスを探す目を、もっともっとつけていきたいです。
前の記事
笑顔力次の記事
今秋最大のイベント!
過去の記事
とにかく、仕事が楽しいんです!